直訳すれば「企業統治」となりますが、「統治」という言葉は辞書によれば「特定の権力ある少数者が支配下にある集団を治め、秩序ある状態にすること」を意味するので、企業に当てはめれば「経営陣が会社・社員を秩序ある状態にすること」ということになります。
ガバナンスを行う責任のある主体は経営陣であり、その対象は会社・社員であることは瞭然としていますが、「秩序ある状態」はどのような状態を指すのでしょうか。
会社法において、株式会社の機関設計や株主総会・取締役会等のあり方といった統治の基礎的なフレームワークが規定されているので、これらを遵守することは最低限の秩序ある状態と言えるでしょう。
しかし、会社法遵守により形式面ではガバナンス体制が整ったとしても実効性が伴わなければ企業不祥事等経営上の問題が発生するリスクは高く、よって求められる秩序ある状態もより高度なものとなります。
つまり、コーポレート・ガバナンスとは、不正な事業運営や経営判断が発生しないように会社組織を経営がいかにコントロールし、ひいてはより良く事業運営ができるようにすることと言えます。