コーポレート・ガバナンスの代表的な定義について見てみます。
・コーポレートガバナンス・コード(CDC)
〝会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組み〟
・日本経済団体連合会(日経連)
〝企業の不正行為の防止ならびに競争力・収益力の向上という二つの視点を総合的に捉え、長期的な企業価値の増大に向けた企業経営の仕組み〟
・経済協力開発機構(OECD)
〝会社の目標を設定し、その目標の達成するための手段や会社業績を監視するための手段を決定する仕組み〟
〝目的は、長期的な投資、金融の安定及びビジネスの秩序を促進するために必要な、信頼性、透明性及び説明責任に係る環境を構築することを手助けし、それによって、より力強い成長とより包摂的な社会をサポートすることである〟
日経連の定義は企業価値を重視する一方で、CDCの定義はステークホルダーとの関わりを重視するので、視点が異なるため同一の用語に対する定義であるとは一見思えないような内容です。
しかし、ステークホルダーとの関りをコーポレート・ガバナンスの目的と位置づけたOECDの定義を踏まえれば両者の関係性が理解できます。