企業においてガバナンスが十分に働かなければ、経営の意思決定において合理性が確保されない、結果責任を問われないといった問題が生じるため、各企業が適切と考えるガバナンス態勢を構築することで健全な経営が実践され、ひいては企業の持続的な成長および中長期的な企業価値の向上に繋がることが期待されています。
あくまでも東証のガイドラインとして制定されているため、法令ではないことから法的拘束力はなく、違反した場合の罰則もありません。しかし、上場企業が取引所のルールに従うことは当然のことであり、実質的な義務となっています。(いわゆるソフト・ロー)
CGCは対象企業が各原則について従うことが期待されていますが、個々の企業の状況によっては一部原則について従うことがベストとは限らないことも考慮されています。従わないのであれば理由を説明する(コンプライ・オア・エクスプレイン)という考え方です。もっとも、東証が纏めた資料によれば極めて高いコンプライ率となっています。
CGCはルールベース・アプローチではなくプリンシプルベース・アプローチが採用されているため、各原則について具体的にどう履行するかは企業の判断に任されています。
- ルールベース・アプローチ:取るべき行動について詳細に規定し、企業はそこから逸脱しないように行動すること
- プリンシプルベース・アプローチ:原則のみを規定し、その趣旨・精神に照らして自社において適切な対応は何であるかを判断のうえ行動すること
CGCは、83の原則(基本原則:5、原則:31、補充原則:47)によって構成されます。2022年4月より東証において新市場区分(プライム・スタンダード・グロース市場)への移行が行われていますが、プライム市場の上場企業は83原則すべてについて適用される一方、グロース市場の上場企業は基本原則のみが適用対象、スタンダード市場の上場企業はプライム市場上場企業のみが適用される原則を除くすべての原則が適用対象となっており、市場区分によって求められるガバナンスの水準が異なります。(あくまでもCGCと市場区分との関係の中での話であって、スタンダード・グロース市場区分であっても株主がより高度なガバナンス態勢を求めてくる可能性はあります)
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